●実行委員長 田中俊のコメント
憲法ミュージカル「ドクターサーブ」のポスター、チラシの表記、及びミュージカルの内容において、ハンセン病回復者の方々の人権に対する配慮が、十分でありませんでした。実行委員会を代表して、深くお詫びするとともに、今後、このようなことが無いように、万全を期したいと思います。
●ハンセン病回復者・支援者との話し合いの経緯
大阪・神戸 憲法ミュージカル2011実行委員会は、この間、ハンセン病回復者・支援者の方と「ドクターサーブ」の公演についての話合いを行っております。以下、その経緯等について、説明させていただきます。
2011年(平成23年)9月初旬、ハンセン病回復者の支援者の方から、公演ポスター、公演チラシの「らい病」の記載に問題があるとのご指摘を受けたことに始まりました。その後、脚本について、ハンセン病回復者の尊厳を傷つけるところがあるのではないかとのご指摘を受けました。
これらの指摘を受けて、実行委員会及び制作スタッフは、9月24日、ハンセン病回復者の支援者の方と対話の機会を持ち、その上で、検討を重ねて、自主的に次のような措置を取りました。
まず、公演ポスター、公演チラシの「らい病」の記載については、1996年、らい予防法(新法)が廃止され、その後は「ハンセン病」が正式な用語となっていることから、その表示が不適切であったことを認め、公演時に配付するパンフレットにその旨の記載と謝罪文を掲載することにしました。
また、脚本における表現等につきましても、上記ご指摘を真摯に受け止め、可能な範囲で修正を加え、10月1日の門真市での公演を迎えることになりました。
なお、公演会場で配付されるパンフレットには、上述の謝罪に加えて、ハンセン病について、ミュージカル観賞者の方に正しい理解を持っていただくための資料として「ハンセン病について」と題する別紙書面を1枚差し入れております。
10月1日、ハンセン病回復者・支援者の方が、門真市での公演を観劇されました。その後、ミュージカル前半のハンセン病患者描写シーンについて、ハンセン病回復者を深く傷つけ、ハンセン病に対する差別・偏見を助長するものである、として、実行委員会に対して、その削除・修正の申し入れがなされました。
問題のハンセン病患者の描写シーンは、中村哲氏の30年を描く「ドクターサーブ」には必要な箇所であり、1980年代のパキスタン・ペシャワールにおけるハンセン病患者の実情とこれに取り組む中村哲医師の姿を表したものです。決して、現在の日本におけるハンセン病患者を表しているのではありません。
しかし、たとえそれが30年前のペシャワールでのハンセン病患者の実情を表現する部分だとしても、ハンセン病回復者らがこれをご覧になって傷ついたとすれば、その事実は真摯に受け止めなければなりません。
そこで、実行委員会は、10月5日、ハンセン病回復者・支援者と直接面談しご意見を伺った上で、10月8日、稽古場にて、ハンセン病回復者・支援者と出演者らとの対話の機会を持ちました。対話後、回復者らのご意見をどう受け止めるかについて、実行委員会、出演者、制作スタッフで長時間にわたり話し合った結果、自主的に、ハンセン病患者描写シーンの演出に一定の修正を加えることとしました。
10月9日、出演者は、修正された演出での稽古を行い、翌10月10日、修正後の演出で大阪市での昼・夜2公演を行っています。この2公演については、ハンセン病回復者・支援者の方をご招待し、演出変更後のシーンをご覧になっていただいています。なお、冒頭の共同代表あいさつの中でこの間の経緯について触れております。
その後も実行委員会は、ハンセン病回復者・支援者と対話の機会を維持し、現在もなお、相互に理解し合えることを目的に協議を継続しています。現時点においても、この協議が実りあるものになる可能性は十分にあります。
以上申し述べましたこれまでの経緯、そして特に、実行委員会がハンセン病回復者・支援者の方と現在なお相互理解のために協議を継続し、その協議が実りあるものになりつつある状況であることをご理解いただき、今後の経過を見守っていただきますようお願い申し上げます。 なお、「らい病」の表記のある広報用チラシにつきましては、可能な限りこれらを回収し、「ハンセン病」に訂正の上使用、あるいは、新チラシを配布し、広報用ポスターにつきましても、可能な限りに「ハンセン病」に訂正し、あるいは、新ポスターと差し替える努力をしておりますことを付言致します。
→申入書1
→申入書2
→申入書3
→ハンセン病について