「マイホームのためにコツコツ貯金をする」と、ある程度のお金を貯めてから住まいを購入するのが一般的なイメージですよね。しかし、最近は「頭金がなくてもＯＫ」というフレーズもたまに耳にします。

頭金にできるだけのお金を貯めるのも長い時間がかかるし、「頭金なしでも買えるのなら今すぐ買いたい」とも思えますよね。

本当に頭金がなくても購入はできるのでしょうか。また、頭金ゼロ円で購入するときに注意したい点はあるのでしょうか。

◆頭金なしでも購入自体は可能

結論から言うと「頭金ゼロ」でも住宅購入はできるのが現状です。ただし、住宅ローンに通れば…ということになるでしょう。

最近では、頭金がなくても住宅ローンを組める金融機関も増えていまが、金融機関も返済できない可能性が大きい多額のお金を貸すことに躊躇します。そこで、今後の返済能力が審査で見極められるのです。

「現時点で返済ができるくらいの収入がある」「健康面で支障がなく今後も働いて収入が得られるか」「安定した会社に勤めている」など、返済能力が認められれば審査が通るので、頭金がなくても住宅購入ができるでしょう。

◆頭金がなくても貯金は必要

「頭金がなくても大丈夫」と聞くと、「貯金ゼロでもいいのか…」と勘違いされるかもしれません。しかし、貯金がないと現実的に購入は難しいかと思います。

住宅ローンで借り入れできるのは、「家の代金」ですが、購入時に支払う費用はそのほかにもあります。売買契約にかかる事務手数料や登記費用、火災保険料、税金など物件価格以外にも支払うべき費用がたくさん。それに、不動産会社に仲介してもらって購入する中古住宅なら、物件価格に応じた仲介手数料も支払わなければなりません。

なかには住宅ローンにプラスして、これらの費用を借入できるケースもありますが、一般的には現金で事前に支払うものなので注意すべきです。

引っ越し費用もかかるので、やはりマイホーム購入では貯金なしではリスクが高いでしょう。

◆月々の負担が増える、最終支払い額が多い

年収や支払い可能額に応じて返済額の設定ができますが、頭金がなく借入額が多ければ返済期間・月々の支払い金額ともに増えます。

また、一般的には住宅ローンを組む時に「頭金がある人＝貯金ができる人」と判断されます。銀行側は「返済が滞る可能性が低い」と頭金が多い人に対しての金利を優遇する傾向にあります。

借入額に対して金利が上乗せされていくので、「頭金がない場合」「頭金がある場合」のそれぞれを比較すると最終的な支払い金額は数百万円の開きになることも…。

お金を貯める間に賃貸で支払う金額がどのくらいになるか、頭金なしで購入した場合の最終支払い金額はどのくらいか、子育てに必要なお金がどのくらいかかるかなど、今後のライフプランの計画を立ててから慎重に判断することが大事です。

◆まとめ

返済能力があれば住宅ローンが組めるので「頭金がゼロ」でもマイホーム購入はできます。

ただ、仕事や子育てなどで毎月の返済が難しくなるような生活スタイルの変化が起こると住宅ローンの返済が家計を圧迫します。気持ちのゆとりがなくなり、家族がギクシャクしてしまうことにもなりかねません。

新しいマイホームでの生活が幸せなものになるように、綿密な資金計画をたてて購入したいものですね。